特集 「学びに向かう」生徒をどう育てるか?

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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校区の小学校と連携し学習指導の到達目標を共有

 自主学習の習慣は一朝一夕には身につかない。それだけに、校区の小学校4校との連携にも力を注ぐ。小学校と鶴岡第二中学校の教務主任からなる「教務主任会」は、2年前に「中学校入学時までにどの生徒にも身につけてほしいこと」という指針を、「学習指導」「生活指導」「健康安全指導」の観点で独自に取りまとめた(図3)。
  「小学校と中学校で共通した指針を持つべきだという話が、校長会で出たのがきっかけです。小学校では、この指針を意識して指導されています」(碓氷先生)
  この中にある「学習指導」の「家庭学習の習慣」の項目では、「宿題以外に課題を見つけ学習することができる」という、チャレンジャーノートにつながる力も明確に定められている。
  「学年×10分というのが小学校での家庭学習時間の目安になっていますが、校区の小学校の中にはこの時間にプラス10分という取り組みをする学校もあります。小6生で1日1時間以上の家庭学習の習慣がついていれば、本校に入学してもさほど大きなギャップは感じないでしょう」(田澤先生)
  鶴岡第二中学校では、学習塾に通う生徒は、中1、中2でそれぞれ3割程度だ。それも、高校受験のためというより、授業の補習として通う生徒が大半だという。中3の夏休み以降になると半数ほどが高校受験に向けて通塾するというが、学校の学習指導に対する地域の期待は高い。学習に対して真剣に取り組む姿勢が生徒たちに身についていると、田澤先生は感じている。
  「定期テストの順位は公表していませんが、『知りたければ個人的に教える』と言うと、9割くらいの生徒が聞きにきます。悔しがって結果をばねにして頑張る生徒も見られるなど、学習に対する意識は高いと思います」
  「チャレンジャーノート」と「朝学習」を中心にした自主学習を促す取り組みを続けてきた結果、鶴岡第二中学校の平均学力は地域でも上位につけている。
  「生徒に勉強をさせっ放しにするのではなく、どの取り組みも最後まできちんと見届けるようにしています。また、あるクラスだけ、ある学年だけといったバラバラの状態ではなく、学校全体で組織的に動いているのも本校の特長です。これらが学習習慣の定着に有効に働いていると思います。学力の底上げには成果を上げていますが、学力の高い生徒をどう伸ばしていくかが、今後の課題です」(五十嵐昇校長)

図3

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