教育現場の挑戦 求められるキャリア教育の充実

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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生徒の意識の変化に保護者からも好意的な反応が

 キャリア教育を始めてから3年が経ち、生徒の意識は明らかに変わった。
  「単に夢を持つだけでなく、仕事をする大変さ、苦しさを踏まえた上で『将来、社会に貢献したい』『他者の役に立つ仕事がしたい』といった意識を持つ生徒が増えました」(重野先生)
  また、保護者からも予想以上に好意的な反応が得られた。「子どもの職業意識が高くなった」「子どもはニートになりたくないと思っているようだ」といった職業意識に関することだけでなく、「他者を思いやれるようになった」など、生き方の基礎となる面での成長も見られた。
  「子どもが家計を支える時代ではなくなり、中学生のうちに辛い、きつい仕事をすることはなくなりました。だからこそ、この活動は貴重な体験だと、保護者も感じているのでしょう」(田邉校長)
  着実に成果を上げている瑞穂中学校のキャリア教育だが、今後の課題もある。体験学習を続けるための体制づくりや、キャリア教育の視点を取り入れた各教科の評価基準づくりのほか、小学校・高校の活動との重複を解消することだ。各校の活動が充実してきたため、例えば小学校と中学校の職場体験活動の内容に重複する部分が見られたりもしている。
  「改めて、小学校から高校までの12年間を『勤労観の確立から職業観の確立を図る期間』と捉え、各校での取り組みを整理したいと思います。これまでの成果を基に更に議論を深めれば、きっと解決策を見いだすことができると思います」と重野先生は最後に力強く語ってくれた。

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