教育現場の挑戦 求められるキャリア教育の充実

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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教科の授業に「キャリア教育」の観点を取り入れる

 一方、瑞穂中学校では06年度から、教育課程全体をキャリア教育の観点から見直し始めた。
  「総合学習で行っていた活動をキャリア教育の観点から見直すことで、体験学習に新たな意義を持たせることができました。しかし、勤労観や職業観は、特別な活動の中だけではなく、むしろ日々の教科指導の中でこそ育てていかなければならない、と考えています」(重野先生)
  こうしたコンセプトを受けて、瑞穂中学校では、文部科学省が掲げるキャリア教育の四つの能力領域(「人間関係形成能力」「情報活用能力」「将来設計能力」「意思決定能力」)を、どのように教科指導に盛り込めるのかを教科ごとに検討した(図4)。その際は、ただ漠然と目標を定めるのではなく、具体的にどの単元で、どのような指導をしていくのかまで詳細に定義した。
  「例えば数学では、『二次方程式』の単元で、『自分のわかるところをほかの生徒に教えたり、不明点を解決したりするなど意見交換をするように努める』ことで、『情報活用能力』を育てていく、といった目標を定めています。同様に他教科でも、単元の特質に応じて、キャリア教育の四つの能力領域を、どのように育てていくのか考えました。これまでの授業では、『こんなことを教えたい』という思いはあっても、『教えた結果、どのような力が身につくのか』という意識を持つことまでは希薄だったと思います。キャリア教育の観点から授業を見直すことで、先生方の意識もずいぶん変わったように思います」(重野先生)
  このような授業方法の見直しは、最終的には各教科の評価基準にも反映される予定だ。瑞穂中学校では06年度の授業改善の成果を踏まえて、07年度から具体的な評価基準の見直しに着手することになっている。
図4

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