特集 カリキュラムから考える小中連携

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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カリキュラムを修正し系統性を更に高める

  このような改善を経てスムーズに活動が進むようになったが、新たな課題も見つかった。
  「例えば『環境』の活動内容は、1本の木が吸収する二酸化炭素量を測定して、それを地域全体の山林面積に換算し、二酸化炭素削減効果を検証するというものでした。しかし、中1では数学で統計を学んでいなかったことや、単位の大きな数の計算能力が不足して、うまく学びが深まりませんでした」(教務主任・尾崎幸裕先生)
  そこで、05年度は、1年生は福祉、2年生は職業、3年生に環境とテーマを入れ替えた。3年生の学力や思考力なら、当初の学習目標に達することができると考えたからだ。
  「本校は01年度に文部科学省からエコスクールのパイロット・モデル事業の認定を受けています。環境に関してはハイレベルな活動をやり遂げたいと考えました」(米倉弘先生)
  小中の教師の交流は、教科での連携にも効果をもたらした。形骸化していた各教科の小中連絡会議でも本音で議論できるようになり、研究指定の終了後も独自に連携を続けている。
  「福岡県内の学力診断検査で、本校のスコアはここ数年大きく上昇しています。連携の取り組みを通じて、学年による系統性を考えたことは、私たち教師にとっても、大きな財産になっていると思います」(三苫登美雄校長)

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