特集 カリキュラムから考える小中連携

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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小中連携をきっかけにカリキュラム作成力を高める

 カリキュラムに関する研究を続けていくうちに、必ずといってよいほど突き当たるのが学習指導要領の壁です。「中学校の学習内容を前倒しで行ってはいけないのではないか?」といった疑問を抱く先生もいるでしょう。
  しかし、ここで思い出してほしいのは、学習指導要領はあくまでも義務教育の「最低基準」として位置づけられているということです。小学校の学習内容が理解できている児童に、「発展的内容」として中学校の学習内容を教えることに、何ら問題はないはずです。中学校の入り口だけを見ずに、「9年間を通してどんな力を身につけさせたいのか」という根本に立ち返って考えることが大切です。
  また、9年間を見通したカリキュラムと聞いて、「本校ではとても無理だ」と思う先生もいるでしょう。しかし、この点もプラス思考で考えれば、ゼロベースからカリキュラムを考える貴重な機会が得られるということです。
  特に、これからの学校を担っていく若手教師の育成を考えるなら、「小中連携をきっかけにしてカリキュラム作成力を高める」というアプローチは非常に有効なのではないでしょうか。近年、週案や年間指導案をじっくり考えるのが難しくなりつつありますが、小中連携はその状況を変える起爆剤にもなると考えます。

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