指導変革の軌跡 生徒の自律性を育てる取り組みで学校の「荒れ」に立ち向かう

滋賀県 近江八幡市立八幡中学校

滋賀県 近江八幡市立八幡中学校

1947(昭和22)年開校。校区には、歴史的町並みが残る旧市街、農村部や琵琶湖に浮かぶ沖島などがある。04年度から3年間、文部科学省のキャリア教育推進地域指定事業の対象校となり、地域での体験活動などを充実させている。

校長●奥井和義先生

生徒数●578名

学級数●18学級

所在地●〒523-0851 滋賀県近江八幡市市井町36

TEL●0748-33-2059

FAX●0748-33-0397

URL●http://www.city.
omihachiman.shiga.jp/‾hattyu/


奥井和義

▲近江八幡市立八幡中学校校長

奥井和義
Okui Kazuyoshi
古武正思

▲近江八幡市立八幡中学校教頭

古武正思
Furutake Masashi
竹端康郎

▲近江八幡市立八幡中学校

竹端康郎
Takebata Yasurou
教務主任。技術科担当。
*本文中のプロフィールはすべて取材時(07年3月)のものです
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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指導変革の軌跡

そのとき、生徒は、教師はどう変わったか

生徒の自律性を育てる取り組みで学校の「荒れ」に立ち向かう

滋賀県近江八幡市立
八幡中学校

実践のポイント
Point1 生徒主導の学年集会などによって、 生徒の自律性を育成する
Point2 日刊の生徒会新聞で、生徒が互いに認め合う校風をつくる
Point3 全学年の生徒が地域で体験活動を実施し、地域社会との交流を図る

抑え込む指導から「自律性の育成」へ転換

 8年前、八幡中学校に赴任した竹端康郎先生は、同僚の教師から妙なルールを聞かされた。「職員会議のときには職員室に鍵をかけておきます―」。生徒が無断で立ち入るため、会議の進行すらままならなかったのだ。
  実は1990年代の初め、八幡中学校は「荒れた学校」として知られていた。窓ガラスは割られ、壁は落書きだらけで、掲示物は破られて廊下に落ちている。校内暴力が新聞に取り上げられたこともあった。当時はピークを過ぎていたとはいえ、授業中に立ち歩く生徒や、他校の生徒とトラブルになる生徒は少なくなかった。
  「夜遅くまで校外指導に取り組んで、状況が落ち着いたかと思えば、また再燃する。その繰り返しでした。そこで、『抑え込むだけでは、生徒は反発する。生徒の自律性を育てて、内面から変えることができないか』と、八幡中学校の指導の原点に戻ることを考えたのです」(竹端先生)
  このころの八幡中学校は、どちらかといえば「一部の生徒」を集中的に指導していた。それを、一部の生徒だけの問題とはせずに、生徒全員の人間関係を捉え直すことから始めたのだ。

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