指導変革の軌跡 生徒の自律性を育てる取り組みで学校の「荒れ」に立ち向かう

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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小学校と情報交換し指導の状況を把握する

 こうした活動の積み重ねにより、学校は次第に落ち着きを取り戻していった。今では窓ガラスの破損や壁の落書きもなくなり、以前はすぐに破られていたという掲示物は、廊下の壁に整然と貼られている。取材で校内を歩いていると生徒から「こんにちは」という気持ちのよい挨拶をかけられたことからも、前向きな雰囲気が醸成されていることがわかる。
  それでも「不安が全く消えたわけではない」と、竹端先生は強調する。
  「以前に比べると問題は大幅に減りました。ただ、生徒が荒れる原因を根絶することは、大変難しいと思います。これからも生徒の自律性を育てながら、細心の注意を払って見守っていきます」
  八幡中学校では、校区の小学校、高校と年1回の会合を設け、情報を交換する。特に小学校との連携は重視し、小学校ごとに異なる指導の状況を把握し、中学校での指導に生かしている。今後も校種間の情報交換を密にする考えだ。
  「荒れた学校を変えたい―」。教師のそんな前向きな発想から始まった取り組みは、地域も巻き込んで着実に前進を続けている。

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