地方分権時代の教育行政 栃木県宇都宮市


概略

栃木県宇都宮市

栃木県の県庁所在地で、国から中核市としても指定されている。宇都宮工業団地、清原工業団地、瑞穂野工業団地という3つの代表的な工業団地があり、北関東の経済を担う中心都市でもある。公立中学校25校、公立小学校68校を擁する。

 

【宇都宮市教育委員会】

〒320-8540
栃木県宇都宮市旭1-1-5
TEL 028-632-2729

URL:http://www.city.
utsunomiya.tochigi.jp/kyouiku.html

半田 均

▲宇都宮市教育委員会
学校教育課課長

半田 均

Handa Hitoshi

高橋利和

▲宇都宮市教育委員会学校教育課
指導支援グループ係長

高橋利和

Takahashi Toshikazu

影山晃一

▲宇都宮市教育委員会学校教育課
指導支援グループ指導主事

影山晃一

Kageyama Kouichi

*本文中のプロフィールはすべて取材時(07年3月)のものです
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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地方分権時代の教育行政
地方自治体の学校教育への新たな取り組み

栃木県宇都宮市

「“いきいき学校”プラン」を作成し、学校・地域・家庭の連携を強化

地域に開かれた教育を目指す宇都宮市は、10年先の教育の在り方を具体化した「うつのみや“いきいき学校”プラン」という学校教育推進計画を作成した。可能なかぎり目標の数値化を行い、情報発信にも積極的に取り組んでいる。

さまざまな調査データを参考に教育推進計画を作成

 市が独自に採用した指導助手による習熟度別学習、民間からの校長登用など、先進的な教育施策をいち早く導入してきた宇都宮市は、2006年1月に、「うつのみや“いきいき学校”プラン」として学校教育推進計画を打ち出した。学校教育課の半田均課長は、その背景をこう語る。
  「従来は、個々のさまざまな施策・事業が体系化されていなかったため、現状分析と課題の把握が十分にできていませんでした。また、市の教育施策が市民にわかりにくいのではないかという懸念もありました。そこで、市の教育施策を体系化し、10年後の宇都宮の学校教育の姿を描いたプランを立てたのです」
  学校教育課・指導支援グループの高橋利和係長は、「宇都宮市は、地域を大切にし、地域から信頼される教育を目標としています。推進計画策定時にはさまざまな調査データや市民への意識調査などを参考にしました」と語る。
  作成した「“いきいき学校”プラン」には、2つの基本方針と7つの基本目標が設定され、4つのプロジェクトが展開されている(図1)。このプランの特徴は、目標をできるだけ数値化したことだ。施策の柱ごとに方向性を決め、指標を設定した。例えば、「学ぶ意欲と、新たな時代を創造的に生きる力の育成」が施策の柱、それを展開する方向性が「一人ひとりに応じた学習指導」であれば、その指標を「学習内容定着度調査」での正答率とし、「国語の正答率8割以上の生徒(児童)を7割以上にする」というように、目標を数値化している。このような指標は、全部で22項目ある。また、それぞれの項目を達成するための施策や事業も、プランの中に盛り込まれている。
  「目標を数値化したことにより、学校は対策を具体的に立てやすくなり、地域や保護者にとっては市の教育目標がわかりやすくなったと思います」(高橋係長)

図1

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