地方分権時代の教育行政 栃木県宇都宮市
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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積極的な情報発信が地域や保護者の信頼を高める

 宇都宮市の施策は、情報発信にも特徴がある。市は、毎年12月に「学習内容定着度調査」として、小3~小6生は国語と算数、中学生は国語・数学・英語を対象に、8割程度の児童・生徒が正答できるような基本問題が中心の学力調査を行っている。その結果は、すべての学校と教育委員会のウェブサイトで公表する。指導支援グループの影山晃一指導主事は、「結果の公表について、当初、学校では一部戸惑いなどがありましたが、分析結果と今後の改善策を一緒に掲載するようにしたところ、地域や保護者の学校に対する信頼感は逆に高まりました」と話す。
  この調査で定着度が低かった設問や領域は、教育委員会が授業改善のポイントなどを載せた指導資料を作成し各校に配付した。こうした学校、地域、保護者への丁寧な対応が、「プランを実効性のあるものにしていくために重要」と高橋係長は言う。
  更に保護者・地域・企業との連携を深めるため、「魅力ある学校づくり地域協議会」(図2)を08年度には、全校で立ち上げることを決めた。 また、推進計画の学校での具体的な取り組みを明らかにした「宇都宮市学校教育スタンダード」も公表した。これは「基本をしっかり!あいさつ・朝食・漢字に計算」を合言葉に、すべての小・中学校で知・徳・体の基礎・基本の徹底を図っていく計画だ。この中でも「魅力ある学校づくり地域協議会」との連携・協力が一つのキーポイントとなる。
  このように宇都宮市では、新たな施策を加えた教育改革を推進している。

図2

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