私は、小学3年生から高校卒業まで、岐阜県の高山市という自然に囲まれた地域で育ちました。毎日、昆虫を捕ったり、夏には毎日、川で泳いだりする中で、自然科学への興味が培われていったのだと思います。
中学校ではよく実験をしました。といっても、授業ではなく、放課後、理科好きの友だちと実験室に集まり、さまざまな薬品で化学反応を試したのです。理科の先生がついてくれるときもありましたが、基本的には自由でした。実験の面白い点は講義のように座って黙って聞くのではなく、自分の思い通りにできることです。結果を予想しながら計画を立てる、という自分なりの工夫ができます。結果が予想と違っても、そこから理由を考えるのが楽しかったのです。
中学校や高校の授業は「何の役に立つのかわからない」と思う人もいるでしょう。私自身、そうでした。でも、あのころの勉強のおかげで、研究にさまざまなヒントを与えてくれる教養が身についたと思います。
|