2006年9月号に実施した読者アンケートでは、各学年で実施している総合学習のテーマとして当てはまるものを、すべて選んでもらった。その結果、「環境」「福祉・ボランティア」「キャリア教育」などの実施率が高いことがわかった。
「福祉・ボランティア」は、学年を問わず3割以上で実施されており、学年による差が小さいのが特徴である。これに対して、「キャリア教育」は2年生で多く実施されており、54.3%と半数を超える。98年に兵庫県で始められた「トライやる・ウィーク」のように、職場体験学習を2年生で行い、それをきっかけとしてキャリア教育に取り組むケースが多いようだ。「環境」は1年生で多く実施されている。生活に密着した身近なテーマが選べるので、導入として取り組みやすいのかもしれない。このほか、「国際理解」「情報(ICT)」「人権尊重」「伝統・文化」なども2割前後の実施率となっている。総合学習の導入にあたり、文部科学省が活動内容として、国際理解、情報、環境、福祉・健康などを例示したことも影響していると思われる。
今回の調査では、総合学習が多様なテーマで行われていることが改めてわかった。しかも、「総合学習を実施した効果があったか」という問いに、およそ7割の教師は「そう思う」と回答している。多くの教師が総合学習の成果を感じているようだ。 |