調査からは、(1)40年前に比べ勤務時間が増えている、(2)鍋ぶた型組織の弊害として教頭・副校長に業務が集中している、(3)部活動顧問や若手など一部の教師の長時間勤務が多い、(4)学校事務や管理運営、外部対応にかかわる時間が多く、子どもの指導に時間をかける余裕がなくなっている、(5)所定の休憩時間にも休めない教師が多いことなどが浮かび上がった。
まず、学校段階ごとの残業時間を見てみよう(図1)。いずれの時期についても、中学校教師の残業時間は、小学校や高校の教師よりも長いことがわかる。例えば、小中高のデータがそろう10月通常期で比較すると、中学校2時間08分、続いて全日制高校1時間48分、小学校1時間43分となり、中学校教師の残業時間はほかの学校段階より約30分長い。図にはないが、同時期の勤務時間中の休憩時間を見ても、小学校7分、中学校9分、全日制高校30分と、小・中学校では10分を下回っていた。
中学校教師の残業時間が長くなる理由の一つに挙げられるのは、「部活動」である。例えば、勤務日・残業時間のうち「部活動」の時間は、10月通常期で18分、同時期の休日では1時間02分だった。特に、「ほとんどボランティア状態」との声も聞かれるほど休日の部活動は負荷になっている。これをどう軽減していくかは、大きな課題だろう。 |