保護者との関係が難しくなった―。 そんな声を先生方から聞くことが多くなった昨今。新聞やテレビでは、無理難題を要求する「モンスター・ペアレント」と呼ばれる保護者がクローズアップされ、学校への不当な要求に対する社会的批判も高まっている。だが、「子どもを育てる」という目標は、本来、学校にとっても保護者にとっても共通のはず。学校と保護者が協力して子どもを育てる大切さを、今こそ考えたい。
今回の特集に先立ち、『VIEW21』編集部では、全国の中学校を対象に、保護者との関係についてのアンケート調査を実施した。 まず、「学校の取り組みに否定的な保護者」の割合を尋ねた図1から見ていく。困った保護者の存在が新聞やテレビで頻繁に取り上げられているが、実際には、中学校の86・9%が「学校の活動に否定的な保護者」は0~2割程度と回答した。フリーアンサーでも、「本校では保護者との関係は良好」「協力的な保護者が多い」等の回答がかなりの数に上った。保護者とのトラブルがあるとした学校においても「一部の保護者の対応に苦慮している」といった回答が目立った。 全般的に保護者との関係が悪化しているというよりは、一部の極端な保護者の対応に苦慮しているというのが、多くの学校の状況だろう。