データから見る教育 50%以上の生徒が中学生までに文系・理系を意識

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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「進路選択に関する振り返り調査―大学生を対象として」

50%以上の生徒が中学生までに文系・理系を意識

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図1、2、3

半数の中学生が文系・理系を意識

 中学校で過ごす3年間は、卒業後の進路選択を考える重要な期間だ。特に大学進学やその後の職業を考えている中学3年生ともなれば、高校入学後に文系・理系のどちらに進むべきか、既に意識していることだろう。
 図1は現役の大学生に、文系と理系のどちらに進みたいのかをいつごろ意識したのか、尋ねたものだ。約半数の大学生が、中学生の時点で文系・理系を意識していたと回答している。

教科の好き嫌いが固定化する危険も

 中学校段階で文系・理系を意識した学生は、高校での文理選択もスムーズなようだ(図2)。しかし、「早期の進路決定が教科の好き嫌いを固定化し、進路選択の幅を狭めてしまうのではないか」と危惧する中学校教師も多い。
 図3は、大学で文系の学科に在籍する学生に、高校時代に数学が好きだったか嫌いだったかを尋ねたものだ。これを見ると、小・中学校段階で文理を意識した学生の方が、高校入学後に意識した学生よりも「数学嫌い」が顕著である。同様の傾向は、文系の学生の物理や化学、理系の学生の現代文や世界史、日本史でも確認された。
 高校の教師の間でも、「せめて中学校までは好き嫌いなく、すべての教科を学んでほしい」との声は強い。進路決定に至るまで、生徒に可能性の幅を広く考えさせたい。
※このページの調査データ等は、先生方や保護者の方々への資料として、是非ご活用ください

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