特集 データでひもとく学習指導の「いま」と「これから」
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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基礎・基本偏重に対する警鐘も

 このほか、教師の意識について興味深い結果がある。図3の「授業や生活指導で大切にしていること」では、「どの子どもにも、できるだけ学力をつけさせること」が「勉強が苦手な子どもには、別の能力を伸ばしてやること」を大きく上回り、「教科書や指導要領の内容を、とにかく最後まで扱うこと」が「一通り終わりまでやれなくても、基本的な考え方を身につけさせること」を上回っている。10年前の調査(97年)の結果と比較しても、各項目間の差が広がっていることがわかる。図2の結果と併せて見ると、教科書にそって基礎的・基本的な学力向上を強く意識する割合が増加している傾向がうかがえる。
 これらの結果は、保護者をはじめ、学校を取り巻く環境の「学力向上への期待」を受けて、基礎・基本を徹底させようという表れであり、「全国学力・学習状況調査」の結果を見る限り、一定の成果を挙げているといえるだろう。

図3
図3 出典:「第4回学習指導基本調査」(ベネッセ教育研究開発センター、回答者は中学校教師、調査概要はP.2参照)

 その上で、「第4回学習指導基本調査」の分析を担当したお茶の水女子大大学院の耳塚寛明教授が、「基礎・基本へ偏りすぎることが今後は懸念される。基礎・基本の習得と、活用・探究する力は両輪として育てるべき」と指摘するように、バランスのよい授業を模索することが、今後一層求められるだろう。

 

Point

基礎・基本に偏りすぎず
活用・探究力の指導とのバランスが今後の課題

 

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