2007年10月、「全国学力・学習状況調査」の結果が発表された。基本的な知識の到達度を測るA問題の平均正答率は、国語が約82%、数学が約73%だった。これに対して、活用する力を問うB問題は、国語が72%、数学が約61%だった。このような結果を得るに至るまで、具体的にどのような指導が行われてきたのだろうか。
図1は、ベネッセ教育研究開発センターが行った、「第4回学習指導基本調査」で、授業時間の使い方や進め方について尋ねた結果だ。心がけている割合が高いのは、「練習や演習の時間」(50.0%)、「生徒の発言や発表の時間」(48.0%)、「机間指導や生徒に個別に対応する時間」(41.9%)だった。これらの割合は02年調査と比較して減少しているものの、他の項目よりも相対的に高いことは変わらない。「脱ゆとり」、基礎・基本の徹底が叫ばれる中、教師からの一方的な授業ではなく、生徒個人の発言や演習の時間を大切にしたいと考えている様子がうかがえる。
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