07年度に全国一斉の学力調査が実施されましたが、その受け止め方はさまざまでした。教育の成果を数値で表すことを好まない先生方もいるでしょう。しかし、今後、学校も個々の教師も、データの分析力や活用の方法をレベルアップさせることが重要になるのは明らかです。
「教育の成果は数値だけでは測れない」という考え方は、従来の教育が重視してきた「美徳」でした。しかし、それが逆に社会から理解されにくい体質をつくり上げている側面も否定できません。確かに、「子どもの目の輝き」といった客観的な指標では測りにくい面はありますが、中には数値化できるものもあります。
保護者への説明責任が高まる今、数値で提示できる成果に関しては、そうすべきだと思います。それが全体の成果の一部に過ぎないことは、きちんと説明すればよいのです。
データを参考にする上で注意すべき点は、全国的な課題が必ずしも自分の担当する学級に当てはまるとは限らないことです。分析の際には、全国や都道府県の平均に加え、自分の学級のデータから実態を正確に把握してください。学校全体としては、「助けを必要としている学級はないか」という視点も持つべきでしょう。そのように客観的な指標となるデータを多角的に捉えることで、これまでの経験と勘だけでは見ることが難しかったものが見えるようになるなど、教師の側も大きなメリットを得られるに違いありません。
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次ページからは、学習指導基本調査の具体的なデータを「基礎的・基本的な知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「学習意欲・学習習慣」「生徒と向き合う時間の確保」の四つのカテゴリに分けて解説する。併せて、今後の指導を考える際のアドバイスや次期学習指導要領の基本的な考え方も適宜紹介する。
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