特集 データでひもとく学習指導の「いま」と「これから」

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
   PAGE 17/18 前ページ 次ページ

小中連携、小小連携が今後の教育の鍵

 今回の改訂では、小学校の国語に初歩の古文や漢文が盛り込まれ、中学校の国語の学習内容も大きく変更されます。小中間で調整の必要があるでしょう。また、小学校での外国語の取り組みは、学校によって大きな差があります。小学校で初歩をマスターした子どもに対して中学校で再びゼロから学ばせたら、やる気を失わせるおそれがあります。中学校区に複数の小学校がある場合、足並みをそろえる必要もあるでしょう。そうした状況に対応してスムーズな接続を実現するには、小中および小小によるカリキュラムの擦り合わせは欠かせません。
 子どもの心身の発達面でも、小中連携の重要性は高まっています。かつては思春期を迎える時期は、中学1年生ごろでしたが、今では小学5年生ごろに早まっています。中学校教師が小学5、6年生と交流すれば、「こんな子どもが中学校に来るのか」とあらかじめ知ることができ、教育に連続性を持たせられます。小学校教師にとっても中学校を訪れて、かつて指導していた子どもの成長を見届けるのは有意義なことでしょう。
 家庭への働きかけでは、指導ではなく「アピール」の形をとると良いでしょう。指導となると、どうしても堅苦しくなります。保護者の中には、教育の動きについて各種メディアを通じ十分な知識を持っている方が少なくありません。「教師の立場から言えば、家庭ではこんな行動をするとよいと思いますよ」などと、軽く促す程度に声をかけるのもよいでしょう。

   PAGE 17/18 前ページ 次ページ