特集 データでひもとく学習指導の「いま」と「これから」

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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評価規準の具体案文科省、国研が発表予定

 特別活動にかかわる教育にも、引き続き力を注ぐべきでしょう。学校教育には「教科」「道徳」「特別活動」という三つの領域があります。特別活動は市民性の基礎を育てるのには欠かせない教育領域であり、教科学習の付録ではありません。
 社会は秩序で成り立っていますから、TPOに応じた言動は欠かせません。卒業式をはじめ、儀式的なイベントはそれを学ぶためにも必要です。「ハレ」と「ケ」という感覚の体得にもつながるでしょう。更に、運動会や文化祭などは、地域や家庭と学校の交流と相互理解のためにも大切です。
 部活動も普段の学校生活では特別な領域です。部によって異なる活動を通じ、自分の個性を見いだし、友だちと協力することを学びます。更に、先輩や後輩との付き合いを通して、言葉遣いをはじめとした上下関係やリーダーシップを学ぶ。その経験は、教師の指導だけでは得られないものです。教科指導がおろそかになるのはいけませんが、特別活動や部活動に力を注ぐ教師には、これからも頑張っていただきたいと思っています。
 文部科学省では、今後、学習指導要領の改訂に伴う評価規準の作成を進めていきます。まず、ワーキンググループで検討し、その後、具体案を国立教育政策研究所が発表することになるのではないかと思います。繰り返しになりますが、次期学習指導要領への準備を開始すべき時期は、既に迫っています。文部科学省や教育委員会など各機関からの情報には敏感になり、常に前倒しで対策を練る心構えを大切にしていただきたいと思います。
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