指導変革の軌跡 「特別支援チーム」を結成し、教師個人の力に頼らぬ生徒指導を実施

神奈川県横浜市立 六浦(むつうら)中学校

神奈川県横浜市立 六浦(むつうら)中学校

1947(昭和22)年開校。横浜市から2002年に「人権センター校」4校のうちの1校として指定され、「だれもが、安心して、豊かに」生活できる学校づくりを推進。その取り組みを市立学校へ情報発信していく役割を担う。

校長●間邉光夫先生

児童数●472名

学級数●13学級(うち特別支援学級1)

所在地●〒236-0031 神奈川県横浜市金沢区六浦1-24-4

TEL●045-701-7658

FAX●045-783-9709

URL●http://www.edu.city.
yokohama.jp/sch/
jhs/mutsuura/


間邉光夫

▲横浜市立六浦中学校校長

間邉光夫
Manabe Mitsuo
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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指導変革の軌跡

そのとき、生徒は、教師はどう変わったか

「特別支援チーム」を結成し、
教師個人の力に頼らぬ生徒指導を実施

神奈川県横浜市立 六浦(むつうら)中学校

実践のポイント

授業を受けない生徒が保健室に溢れていた

 2005年4月、六浦中学校に赴任した間邉光夫校長が校長室の扉を開けると、奥のソファーに3年生の生徒3人がどっしりと腰かけていた。
 「どうしたの? 君たち」
 「新しい校長がどんな顔か見に来たんだ」
 始業式の翌日には、「3年生の十数人が体育館の屋根に登って遊んでいる」という連絡が間邉校長のもとに入った。現場に駆けつけた教師が「降りろ!」と言っても、生徒は全く言うことを聞こうとはしなかった。
 また、保健室は、授業中にもかかわらず生徒でれ返ることもあった。体調が優れない生徒、保健の先生に話を聞いてほしい生徒、用もないのにただ保健室に来ている生徒…と、十数人が集まることも珍しくなかった。
 「担任は連絡が入るとすぐに保健室に駆けつけていました。本当に具合の悪い生徒が休める場所を確保しなければなりませんから、それ以外の生徒を担任が教室に連れ戻すことを繰り返していたのです。保健の先生にも大きな負荷がかかっていました」(間邉校長)
 実は、間邉校長は1972年から16年間、同校の教壇に立っていたが、当時も生徒指導が難しい学校だったという。
 「一教師として本校の指導の経験があったので、赴任当初の出来事に驚きはありませんでした。しかし、これは課題が多いと赴任早々に実感しました。この課題を解決していくために、先生方と協力しながら取り組んでいこうと決意したのです」と振り返る。

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