しかし、全くの新人教師にとって、こうした授業をゼロから組み立てるのは容易なことではありません。そこで私たちの国では、ベテラン教師の経験知を、合理的な「メソッド(方式)」にすることに力を入れています。
例えば、先ほど紹介したような、子どもへの発問の仕方や授業の進め方は、教科書に付属している指導書に非常に詳しく書かれています。子どもに発問するタイミングや内容、子どもの答えに応じた返答のパターン、更には宿題の出し方や成績のつけ方に至るまで、単元ごとにきめ細かくフォローしています。
更に、教科書には、そのままコピーして使えるプリント教材をまとめたワークブック、CD―ROMが一つのパッケージとしてついてきます。ワークブックの巻頭には習熟度を測るためのテストがついており、そのあとに単元別に習熟度に応じた課題プリントが続く構成になっています。この流れに従っていくことで、テスト→習熟度によるグループ分け→子どもに与える課題の提示まで、どの教師でもこなすことができます。 |