地方分権時代の教育行政 岡山県総社市
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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英語を教える楽しさを小学校の授業で呼び戻す

 05年度からは、英語活動において小中連携が始まった。公立中学校4校のうち2校の中学校区を推進地域に指定し、小・中学校の教師が互いの英語の授業を見学し合うことから始めた。07年度には、中学校の英語教師がチームティーチングとして小学校の授業に参加。市教委は、小・中学校が連携を深めることで、もともと多忙な中学校教師に過剰な負荷がかからないように英語教師を増員した。
 該当する中学校は、小学校の英語活動の時間割を確認してから中学校の時間割を組んでいるため、英語の授業や小学校への移動時間などを考慮した無理のないスケジュールを立てることができる。こうした配慮によって、中学校の英語教師は、小学校の授業に週1回程度と比較的高い頻度で参加できるようになっている。
 授業は小学校の担任が主導し、中学校の英語教師はALTと共に発音などのアドバイスに徹する。あくまでもサポート役であるため、指導案をつくったり、教材を用意したりといった負担が少ない。
 また、小学生は歌やゲームに一生懸命に取り組む傾向にあるため、中学校の授業とは異なる雰囲気をもつ小学校での授業を心待ちにする中学校の教師も多いという。
 「中学校の教師には、文法などを教えようとする意識が強くあるようです。しかし、小学校英語では、子どもが英語の楽しさを感じることが主眼となります。小学校の指導に触れることで、中学生に対しても英語の楽しさを伝えられるような指導をしてほしいと思います」(上岡課長)
 地域ボランティアを採用して英語教育の充実を図ることなどの課題はあるが、「英語をきっかけとして、他教科や活動でも小中連携を進めたい」(上岡課長)というように、総社市の意欲的な取り組みは更なる進化を目指している。


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