明日から使えるICT講座

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▲講師 中川一史(ひとし)先生

独立行政法人メディア教育開発センター教授。数多くの小・中学校で指導・助言を行っている。

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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明日から使えるICT講座:第2回 反復・定着学習

「反復・定着」にICTを活用し学習効果アップ!

ICT機器を利用すれば、単調になりがちな「反復学習」の場面でも生徒の興味を喚起・持続させることができます。
授業の要点を「定着」させたい場面で、理解を促進することも可能です。
従来から用いている反復・定着指導に、ICTを取り入れた授業の例を紹介します。

生徒の集中力向上や理解度の把握に役立つ

 英単語や漢字の筆順、地名、元素記号などの習得のために、反復学習は不可欠です。ただ、暗記は生徒にとって単調で退屈な学習になりがち。多くの先生方は意欲喚起のためにさまざまな工夫をされていると思います。そこで、効率的・効果的な学習手段の一つとして、ICT機器を取り入れてみてはどうでしょう。
 ICT機器は、教材を繰り返し提示できるだけでなく、ランダムに表示したり、必要な箇所だけを提示したりすることも自由にできます。次ページの事例1のようにテンポよく提示することによって、生徒はゲーム感覚で取り組めます。工夫次第で、集中力を高めることもできるでしょう。
 授業の要点を共有・定着させたい場面にも、ICTは有効です。従来なら生徒が各自で資料集を見ていたような場面でも、プロジェクターなどの拡大提示機器を用いて大きく映し出すことによって、より印象に残り、知識が定着しやすくなります
 映し出された画像を見るために、生徒は顔を上げて前を向きます。生徒の表情を見やすくなり、理解や関心の度合いを確認しながら授業を進められる、というメリットもあります。  反復・定着のためには既に多くの手法があります。ICTはあくまで選択肢の一つですが、事例1、2のように、ほんの少しの工夫でどの教科でも効果的に使え、先生の負担軽減にもなります。
 どの生徒もICTへの関心が高いことは、多くの先生方が実感されていると思います。ICTの活用は、反復・定着のための単調な学習が苦手な生徒の意欲を喚起するきっかけにもなるでしょう。
活用度UP! ワンポイントアドバイス

無料のソフトウェアを試してみよう

 

 デジタル教材を購入したくても予算が少ない…。そんなときは、教科書の指導書を見直してみましょう。教科書会社によって異なりますが、デジタル教材の付録がついています。教科書に沿っているのでそのまま使え、機能面で優れたものも多くあります。無料のソフトウェアで使い勝手のよいものもたくさん出ています。一度利用してみてください。

【デジタル教材などを探せるお薦めのウェブサイト】
●教育情報ナショナルセンター
 http://www.nicer.go.jp/
●独立行政法人 情報処理推進機構
 教育用画像素材集
 http://www2.edu.ipa.go.jp/gz/


*2008年6月時点のサイトを基にご案内しています

 


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