横浜市は「横浜版学習指導要領」(以下、横浜版要領)の策定を進めている(注)。既に「総則」と「総則解説」をまとめて、市立小・中学校の全教師に配付。「保護者・市民版」も作成し、学校を通して保護者全員にも配付した。2008年度中には「教科等編」を、09年度には「指導資料」と「評価ガイド」をまとめる予定だ。
同市の教育に関する計画は、市の全体計画と連動させた「横浜教育ビジョン」(10年計画)、「横浜教育ビジョン推進プログラム」(5年計画)、「運営方針」(1年計画)の3層からなる(注)。横浜版要領は、このうち「推進プログラム」の重点政策の一つとして位置づけられている(図1)。国の学習指導要領の改訂内容をすべて盛り込んだ上で、小中一貫カリキュラムの導入や「総合的な学習の時間」の『横浜の時間』としての再編成など、教育課程のローカルスタンダード(地域に合った基準)を示した。横浜市教育委員会(以下、市教委)授業改善支援課の服部信雄課長は、「本市は学校数が多く、教育環境の地域差も大きいため、各学校がそれぞれの特性に応じたカリキュラムをつくり、運用していくことがとても大切です。横浜版要領はそれを助ける手段の一つです」と説明する(図2)。 |