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三者面談のポイント
学校訪問など、秋までのさまざまな情報収集の結果を、生徒自身が消化できるようにするのが面談の役割。行事予定に入っている面談だけでなく、普段からのこまめなコミュニケーションが大切だ。
面談の目的を生徒と保護者にはっきり伝える
「今回は第2希望・第3希望を決める」など、面談の目的を事前に生徒に知らせておくと、面談の質が高まる。
<NG>
普段の呼び出しには応じない保護者に対して、ここぞとばかりに生活態度など進路以外の話題を持ち出す。
担任ならではの視点を生徒と保護者に提供する
保護者と生徒の関心は数値に基づいた合格可能性に傾きがちだが、その進路選択が適正かどうかという別の視点を持つ。そのためにも、事前に多くの教師の観点を持ち寄り、生徒一人ひとりの進路を幅広く検討しておく。
必要に応じて、三者面談の前に保護者との二者面談を行う
生徒だけでなく保護者への気配りも大切。例えば経済的な問題などは、保護者が子どもの前では言いにくいと感じることもある。特に難しい状況にある家庭は、三者面談の前に保護者とだけ面談してもよい。
会話しやすい雰囲気をつくる
教師と保護者、生徒が机を前に向かい合って座らず、L字型に座ると、皆で一緒に考えようという姿勢を示すことができる。机の上に観葉植物などを置いてもよい。
キャリア教育の内容を活用し、振り返らせる
それまでのキャリア教育で作成・蓄積してきた資料がある場合は、面談の席で生徒と保護者に見せる。「このときはこんな風に考えていたな」と振り返ることで、面談内容に広がりを持たせる。
塾の情報は頭から否定せず、保護者の話に耳を傾けつつ、学校としての意見を伝える
[若手教師の場合]
自分一人の判断ではないことを伝える
保護者に対して、「いま話している内容は自分の意見ではあるが、学年主任など、多くの先生が検討に加わって合意している」という趣旨を伝える。
先輩教師に同席してもらう
「自分はまだわからない部分があるので先輩も同席させていただきます」と素直に保護者に伝え、先輩の先生に同席してもらうのも一案。その場合、若手教師は先輩の対応をしっかり学び取る。
[面談前後のフォロー]
給食のときに一言「最近頑張っているな」と声をかけるなど、継続的にこまめに言葉を投げかけることが、生徒の意欲向上につながる。特に、保護者が子どもの進路に無関心な場合は、その分、教師が生徒とたくさん接して「自分の将来は自分自身で考え、生きていかないといけないんだぞ」と伝えるなど、生徒自身を「大人」にする。
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