今では私なりの授業法が確立していますが、20代のころは試行錯誤の連続でした。特に新卒のころは、自分の中学時代を振り返り、「生徒もこれくらいできて当たり前」と思って授業を進めていました。自分ではわかりやすい授業をしているつもりでしたから、理解できない生徒にいら立ち「何でこんなことができないんだ」と怒ったこともあります。授業を聞かない生徒を問い詰めた末に、「だって、先生の授業がわからないんだもん」と言われたこともあります。生徒を見ずに授業をしているのは自分なのに、理解できないことを生徒のせいにしていたのです。今思い出すと恥ずかしい限りです。
自分の授業がなぜわかってもらえないのか。悩んだときには、大学時代の恩師や数学教師の仲間に相談しました。数学教師の自主研究会にも所属し、勉強会に参加しました。生徒の把握、素材の選び方、板書法などを学び、授業で取り入れ、うまくいかなかったら別の方法を試し――を繰り返しました。もちろん、今も続けています。
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