試行錯誤の新任時代を経て、私は2008年度で教職歴11年になりました。今は担任を離れ、生徒指導主事として指導にあたっています。
主事になって感じるのは、いかに学校が地域に支えられているかということです。民生委員や町内会長といった地域の方々とお話をするようになって初めて、いろいろと助けていただいていることを知りました。
もう一つ痛感しているのは、今、私たち教師がしている仕事は「地域の苗づくり=地域づくり」なのではないかということです。生徒が大人になったときに、この中のだれが今の民生委員や町内会長のように地域のために汗を流せるのだろうか。「地域に貢献したい」という思いを、少しでも中学校時代に根付かせておかなければ、地域はどうなるのか。ひいては、日本は、世界は……というように、思いはどんどん広がっていくのです。
なんて責任の重い仕事なのだろう。教師という仕事に対して、つくづくそう思います。
私もいずれは異動となり、この学校を、地域を、離れるときがやってきます。それまでに、30年後、40年後にこの地域を支えるような人を育てたい。そして、何よりも生徒一人ひとりに明るい未来を築いていける力を持たせたい。その実現に向けて努力し続けることが、教師としての私を育ててくれた学校や地域への恩返しだと思うのです。
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