中学生は、さまざまな悩みを抱え、教師は苦悩する生徒たちに、解決の糸口となる言葉をかける。 優しく、ときに厳しいその言葉は、時を経てもなお忘れずに、生きる上での道標となることがある。 今春社会人になる大学生に聞いた、『心に残る恩師の言葉』とは――。
「極端にやれ。自分で思っているほど実際は変わっていない」
部活動のバレーボールが上達せず、伸び悩んでいた際に顧問の先生に言われた言葉です。「このままでは上達しない。何かを変えなければ」と理解しつつも従来のフォームを捨てきれずにいました。そんな中途半端な態度を見られていたのです。自分で感じているほど、周囲はその「変化」を感じない。そして実際に、それほど変化していない。何か新しい変化や選択を迫られたときにいつも思い出す言葉です。(男性)
「ばかになれ!」
学年の行事を目前にして、今ひとつ本気になりきれていなかった私たちに、学年集会で先生がおっしゃった言葉です。応援や合唱などで恥ずかしがって中途半端にやるよりも、ばかになって思いきり取り組んだ方が楽しいという話でした。この先生の一言で、学年全体が一生懸命行事に取り組むようになっていきました。ばかになるというのは、まわりの目を気にせずに本気になる力だと思います。今でもこの言葉に助けられることがあります。(男性)
「泣きたいときは 泣いていいんやで」
高校受験の勉強や人間関係で悩んでいた時期がありました。そのときは、授業にも全く集中できず、だれに相談すればよいかもわからず、ただまわりに心配をかけてはいけないという思いで、教室ではいつも以上に明るく振る舞っていました。そんな私に気づいた担任の先生に「悩みがあるやろ? 無理に笑わんでええよ。泣きたいときは泣いていいんやで」と言われたのです。その言葉を聞き、私は職員室で号泣してしまいました。けれども、先生に思っていることを一通り聞いてもらうと、気持ちも吹っ切れて、力が入らなかった受験勉強にも集中して取り組めるようになりました。(女性)