特集 移行期間の課題と対策
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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全面実施で「学力は上がる」 と4割強が予測

 新学習指導要領の趣旨や内容を踏まえた授業の工夫・改善について、教師はどの程度関心を寄せているのだろうか。図8の通り、学校全体で一定の関心はあり、校長を始めとする管理職の関心が特に高いことが分かった。一方、20代の教師は「(関心が)あまりない/全くない」割合が3人に1人おり、関心の低さが目立つ。その理由には、「校内でもとりわけ多忙」「指導経験が浅いため余裕がない」等が挙げられていた。教える内容が理科や数学を中心に増加しているため、ベテラン教師にとっては指導経験がある単元でも、若手教師には教材研究が必要なものもある。こうした点への対応が求められるだろう。
 研修などが一つの対策と考えられるが、図9を見ると、移行措置に関する校内研修や勉強会は、37%が年度内に複数回実施を予定している。図では紹介していないが、実施時期は夏休みが多いようだ。

図8、図9

 最後に、全面実施となる3年後に、生徒の学力と教師への負担がどう変わるかを予測してもらった結果を紹介する。図10の通り、生徒の学力の定着度は「上がる」(44%)または「変わらない」(48%)との予測がほとんどで、「下がる」は1%だった。
 教師への負担については図11に示している。全員または一部の教師の負担が高まる、と考える割合が80%に達した。具体的に負担が高まる分野・校務分掌について自由記述形式で回答してもらったところ、授業時数が増える国語、数学、理科、英語の教師や、教育課程編成の中心となる教務主任の負担が高まるという指摘が多い。
 こうした実態や先生の意識を踏まえた上で、全面実施に向けて今から検討・実行しておきたいことは何か。次ページ以降、3人の校長先生(現職・前職)による座談会、二つの学校事例を参考にしながら考えていきたい。

図10、図11

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