現代の生徒指導上の課題は、基本的な生活習慣にかかわるものから、 校内暴力、いじめへの対応、ICTモラルの教育まで多岐にわたる。今回は、自己肯定感や 学校の「荒れ」に関するデータから課題を読み解くと共に、学校の取り組みから解決のヒントを考えたい。
近年、「自分への自信や将来への前向きな気持ちが低い生徒が多い」としばしば言われる。財団法人日本青少年研究所『中学生・高校生の生活と意識調査報告書』によると、日本の中学生は、他の国々と比較して、自分の能力に対して肯定的な態度を持つ割合が低い傾向が明らかになった(図1)。更に、「親によく褒められると感じていない生徒」や「自分の意思を持って行動できない生徒」に、「自分はダメな人間である」と思う傾向が、より強く見られた。