課題にフォーカス
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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「出番・役割・承認」を地域へも拡大

  学校が落ち着いた今、取り組んでいるのは、学区の小学校及び地域との連携プロジェクト「雄飛学園構想」だ。これは、小学6年生を中学校に招いて行う部活動体験、中学校教師が小学校に出向いて行う出前授業、地域行事への参加、職場体験などを通して、学区ぐるみで「開発的生徒指導」を展開し、子どもを育てていこうというものだ。
 「本校では、少子化による生徒数の減少、学校選択制による生徒の他学区への流出といった課題に直面しています。こうした状況の中で地域全体が活性化していくためには、『地域の子どもはみんなの宝』という意識を持って育てていかなければなりません。そのために、小中連携を核にしながら、地域や家庭で子どもに出番と役割を与え、承認していくという流れをつくっていきたいと考えています」(佐藤校長)
 地域と学校が協力することによって、子どもの「出番・役割・承認」の場が広がっていけば、「開発的生徒指導」は更に効果を増す──。「生徒指導困難校」と呼ばれた時期のさまざまな苦難を乗り越えて確実な成果を上げてきた金泉中学校の手法は、多くの学校の参考になるのではないだろうか。


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