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1年生の家庭学習指導
年度初めの生徒の様子
●授業にはおおむね意欲的だが、授業の準備や家庭学習が不十分。
●入学当初から、学習習慣や生活習慣の定着度に個人差が見られる。
指導方針
●1年生の段階では、自分で何を勉強するのかを考えて家庭学習に取り組む力が十分ではない。そのため、
まず、家で勉強する習慣を付けさせることに主眼を置く
。学年全体で家庭学習内容を提示し、最後までやり遂げさせるように指導する
中心となる指導
家庭学習ワークシート
●生徒全員にA4判のワークシートを毎日1枚渡し、翌日に提出させる。
●内容は、国語、数学、英語の3教科の基礎・基本の繰り返し学習。いずれも教科担当が、授業で使用する問題集や補助プリントを参考にして作成し、一日1教科ずつ課す。授業と関連した問題にして、生徒の意欲を高める。
国語…漢字の書き取り10題を5回ずつ書く
数学…計算練習12題
英語…単語10題を10回ずつ書く
指導のポイント
●「出来た!」という達成感を味わわせるため、どの学力層の生徒でも全問解けるような問題にする。提出しなかった生徒は放課後に残ってもらい提出させる。「放課後の居残り勉強は、生徒が嫌がると予想していました。しかし、むしろ教師に面倒を見てもらえることを喜ぶ生徒が相当いました」(橋本副校長)
●シートには「保護者からの一言」の欄を設け、毎日コメントを記入してもらう。保護者にも子どもの家庭学習に目を向けてもらうと共に、教師自身もシートを毎日チェックすることで家庭学習指導に目を配るようになる効果もある。
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その他の指導
●学習計画表…定期テスト前に、計画的にテスト勉強に取り組ませるために配布。
●学習コンテスト(全校で実施)…10月(漢字100題)と2月(英語100題)に実施。コンテストの10日前から、毎日の朝読書を休止して練習時間に充てる。練習する際に使用するプリントはコンテスト本番と同じ内容とし、頑張れば必ず100点が取れる達成感を味わわせることがねらい。
●夏季学習…夏季休業第一週の4日間、国語と数学の補習教室を毎日1時間実施。指名制で、学年の教師が指導。
成果
課題
●教師から言われないと出来ない生徒が依然として多い。復習の課題を自分で見付けて取り組むなどの自主的な家庭学習に変わるまで、粘り強く指導する。
●「提出物は期限を守る」「学校のきまりを守る」といった基本的な約束を継続して教える必要がある。
*1年生の家庭学習指導・2年生の家庭学習指導は、いずれも取材および同校の研究紀要「学習意欲の向上と家庭学習の定着」を基に編集部がまとめた
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