特集 家庭学習─机に向かう習慣づくり
 
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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教師だけでなく生徒、保護者、皆で「チーム邑知」

 今後の取り組みのポイントを、中村校長は次のように語る。
 「学校が今考えていること、取り組んでいることを隠し立てせず積極的に発信することが大切だと考えています。家庭学習の充実のためには、保護者や地域からの信頼を高め、協力を得ることが不可欠だからです。そのためにも、校長は、学校内外に対して『聴く耳』を持ち、時に相談役となる。必要な時は周囲に一声掛けたり、学校を代表して情報を発信したりする役割を果たさないとなりません。当たり前ですが、重要なことです」
 同校の生徒の学力は全国的に見て高い水準にある。これまでの研究実践の成果ともいえるが、目指す生徒像が生徒の間にも着実に浸透している証拠は他にも見られる。例えば、生徒会が主催する「チャレンジスタディ」。月1回、自分たちで作問した基礎基本問題の全学級対抗戦を行うものだが、これに向けて、学級では生徒同士が教え合う姿が多く見られるようになったという。
 今後は、家庭学習指導についても改善を続け、自ら学ぶ姿勢や学習意欲をより高めていく考えだ。「家庭学習の手引き」の活用を促すため、生徒にヒアリングをしながら実態に合った内容に改訂する予定だ。また、校区にある小学校2校と学習規律を中心に連携を進め、家庭学習指導についても小中の連続性を図っていく。この他、日々の指導の中で教師が感じる生徒の変化や定期的に行う調査の結果に応じて、学習オリエンテーションや自習帳の指導内容も変えていくことになる。
 「私たち教師は、生徒、保護者も含めた『チーム邑知』の一員です。生徒と目標を共有し、一丸となって取り組む。この意識を地道に育むことが、家庭学習指導に向けても好循環を生むと信じています」(大場先生)


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