「心と体を一体としてとらえさせる」指導の一つ目の柱は、新入生を対象に入学直後に行う2泊3日の合宿訓練だ。食育などを通して生活習慣と体力の関係を考えさせると共に、集団の規範を理解させ、中学生としての自覚を持たせることを目的としている。合宿中は、あいさつの練習で礼儀を学び、発声や校歌の練習で心を開かせ、集合整列などを通して集団生活での規律を身に付けさせていく。合宿での訓練は、日常生活のあらゆる場面、例えばホームルームや部活動などでも土台になるものだという。
「合宿訓練は『体力づくり』を含めた中学校生活の心構えを持たせるために行います。ほとんどの生徒が同じ小学校出身なので、仲良し感覚のまま中学校に進学します。中学校生活を始めるに当たり、あらゆることの基礎となる礼儀やあいさつ、集団生活での規律などを徹底して指導することで、生徒は、これまでとの違いを認識します。それが、小学生から『中学生』になる第一歩なのです」(河野俊治校長)
取り組みの二つ目の柱は、「運動朝会」だ。週2回、朝の15分を使って全校生徒が一斉に体を動かす。内容は、学校近郊の起伏のあるマラソンコースを2キロ走るなど、かなり充実している(図3)。1年生は、慣れないうちは筋肉痛に悲鳴を上げることになる。
「体力には個人差があり、運動が苦手な生徒もいます。だからといって、逃げ出す生徒はいません。例えば腕立て伏せが出来なければ、『膝を着いてもいいよ』という指導をしています。何よりみんなで元気に声を出してやるからこそ、運動が苦手な生徒も頑張ってついていこうとするようです」(沖山先生)
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