課題にフォーカス
星野芳徳

高浜市立高浜中学校校長

星野芳徳

Hoshino Yoshinori

梅田 稔

高浜市立高浜中学校教頭

梅田 稔

Umeda Minoru

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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全クラスを巡回する年7回の「校内見守りたい」

 気軽に来校できる仕組みとしてまず挙げられるのが、「校内見守りたい」だ。これは、保護者が2時間目と3時間目の授業時間中に校内を巡回しつつ、1~3年生のすべての授業を見学できるというもの。年に3回実施される授業参観とは別に、例年7回ほど行われている。授業や校内の様子を見て回った後、教師との懇談会が開かれ、保護者から感想や気付いたことなどが出される。
 「学校としては、いつでも学校に来ていただいて構わないのですが、いつでも自由にとなるとかえって足を運びにくいものですよね。ですから、あえて日にちを決めています」と星野校長。導入して既に3年以上が経過するが、今でも多い時には40人の来校者を迎えるほど、同校の保護者には広く受け入れられている取り組みだ。
 保護者の最大の関心は、我が子を始めとする生徒たちの様子にある。懇談会では、授業中の生徒の表情や態度、1日を過ごす教室の雰囲気などについて自由に感想が述べられる。一方、この取り組みでは「教師が日々どれほど頑張って授業をしているかを見てもらうことも意義の一つ」と教頭の梅田稔先生は語る。
 「保護者は面談や保護者会などを通して、我が子の担任教師のことはよく知っていますが、担任以外の教師のことはなかなか分からないものです。子どもにかかわるいろいろな教師の『頑張っている様子』を見ることで、保護者は学校に信頼を寄せるようになっていきます。3学年を自由に見て回れる『校内見守りたい』は、本校のすべての教師の様子を伝えられるチャンスなのです」
 「教室の掲示物はもっと生徒に見やすく張った方がよいのでは」など、毎日教室に通っている者だとつい見逃してしまいそうな指摘を「校内見守りたい」から受けることもある。一方、「生徒が理解できるように一生懸命説明してくれていることがよく分かって感動した」といった評価の声も毎回数多く寄せられる。そのことが特に若手の教師にとって励みや自信となっていると梅田教頭は言う。
 「とはいえ、今日は校内見守りたいが来るから……などと構えてしまう教師はいません。授業参観と合わせると、毎月のように保護者を校内に迎えるのですから、先生方も慣れているようです。特に意識もせずに、普段通りに授業を行っています。本校の教師は全員、いつ、誰に授業を見られてもよい、そんな気持ちだと思います」(梅田教頭)


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