前ページで見た通り、近年の保護者の変化などにより、学校と保護者の信頼関係の構築が困難化している学校も少なくないという。そんな中で、愛知県高浜市立高浜中学校は、「教育活動の質を向上させるための貴重な外部資源」として、保護者や地域と積極的に連携している。
例えば、09年度の重点努力目標として、同校では「生徒一人ひとりの学力の定着を図る」「『恥ずかしい』を実感し、自制する生徒を育てる」と並び、「地域に開かれた学校を目指す」を掲げている。では、「地域に開かれた学校」とは具体的にどのような学校なのか。校長の星野芳徳先生は次のように説明する。
「私たちが考える開かれた学校とは、地域の人々や保護者の方々が『また来よう』と思える学校です。そして、そのような学校に必要なのは、『来校しやすい仕組み』と『情報発信』の二つの機能です」
学校としてどのような取り組みが求められるのか、教師全体での共通理解を図るために、「開かれた学校」を抽象的なイメージで表現するだけではなく、実現のために必要な機能を具体的な言葉で明示することから始めた。そして、この二つの機能を高めるために、高浜中学校では保護者、地域と協働したさまざまな取り組みを、年間を通して日常的に実施している。 |