課題にフォーカス
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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生徒の日常をブログや印刷物で発信

 保護者が気軽に学校に足を運ぶ機会を頻繁に設けると同時に、高浜中学校はさまざまな媒体を駆使した情報発信を積極的に行っている。
 日常的な情報発信として最大限に活用されているのが、学校が運営する「高中ブログ」(図2)だ。1~3年、部活動、生徒会、PTAとカテゴリー別に日々の出来事をブログ形式でアップしている。
 「私が赴任した当初は、本校のホームページの情報はほとんど更新されていない状態でした。今では担当教師が中心となって、毎日のように更新しています。ブログにしたことで更新作業も簡単になり、校内の写真なども多く紹介できるようになりました」(星野校長)
 ブログはアクセス数などの解析が容易なのも特徴の一つである。その解析から改めて分かったことは、保護者の関心が最も高いのは、「生徒が学校でどのように過ごしているか」だと星野校長は説明する。
 「調査データの結果発表や学校からのお知らせももちろん大切ですが、今日学校で生徒たちはどんな表情で1日を過ごしたのか、高中ブログを訪れる人たちはそこに一番関心を持っています。だから、私たちは個人情報に十分考慮した上で出来るだけ写真をたくさん掲載して、学校の日々の様子が伝わるような情報発信を心掛けています」(星野校長)

図2:高浜中学校ブログ
図2:高浜中学校ブログ
ほぼ毎日更新される高浜中学校のブログ。同校には、PTAが運営するブログもあり、学校と保護者双方が活発に情報発信を行う

 一方で、印刷物を使った従来型の情報発信も重視している。学年便りや学級便り、進路便りなどは、各担当者の裁量に任されているが、「地域に開かれた学校を目指す」が学校としての重点目標になったことを受けて、頻繁に配布されるようになった。
 「学級便りを毎日発行しているクラスもあります。忙しい中での先生方の熱意には頭が下がる思いですが、生徒の様子や自分の考えを保護者に発信できるという学級便りのメリットをよく理解しているから出来ることなのだと思います。教師として自分が何を考え、どんなことに取り組んでいるかは、具体的に発信しないと伝わりませんから」(梅田教頭)
 また、年度当初に全生徒に配布するリーフレット「高浜中の教育」は、家庭で1年間掲示しても破れにくいように厚手の用紙を採用し、更に見やすさを重視してカラー印刷にした(図3)。

図3:高浜中の教育
図3:高浜中の教育
リーフレットは年間を通して家庭で掲示されることを意識して作成された

 「学校の目標、保護者に参加をお願いする年間の行事日程などが記されていますから、私たちとしてはぜひ冷蔵庫など家族全員の目に付きやすいところに張っていただきたい。そこで紙質と印刷を見直しました。実際、家庭訪問に行くとかなりの家庭で壁などに張っていただいています」(梅田教頭)
 インターネットや紙媒体を駆使している高浜中学校の情報発信は、いずれも保護者が学校に足を運んで目にしているかのような生の情報の提供、そして実際に学校に出掛けてみたくなるような誘導を重視している。
 「すべての情報は、子どもたちが毎日学校でどう過ごしているか分かるものでなければなりません。それがあって初めて保護者の安心につながるのです。また、このような情報発信の工夫をとことん考えていくことで、教師の意識が変わってきました。『自問清掃』のような取り組みを自分で考え、提案する教師が増えてきたのです。情報公開を通して保護者や地域の支えに気付き、一人ひとりの教師が生徒のためにもっと頑張ろうと強く思うようになったからだと思います」(星野校長)


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