「四高ビジョン21」を達成するための課題を生徒にも考えさせる
二つ目は、「私のビジョン21―その決意」という書き込み式シートだ(前ページの図)。シートの表面は「四高ビジョン21」が生徒にも理解できるようにまとめられており、裏面には自己の進路目標などを記入するようになっている。
長期的な目標である「進路目標」を達成するために、今、何ができるのか。生徒自身に考えさせ、書かせることにより、漠然と抱いている目標を明確にさせる。学習だけでなく日常生活でも目標に向かって、生徒自ら行動するための仕掛けとなっている。
「生徒に何かアドバイスをするときも、『やらなければだめだ』と押しつけるのではなく、『目標のために必要なことだろ』と前向きにアドバイスができます」(岩渕先生)
生徒はシートを2枚記入し、1枚は自分用、もう1枚は担任が保管する。教師は受け持つ生徒のシートにすべて目を通し、生徒理解に役立てている。
この他、部活終了時刻の厳守、朝10分間の一斉読書など、今まで取り組んできた活動もきちんと実施されているか見直しを掛けた。
'03年度に向けたカリキュラムを、教科単位の振り分けだけでなく、生徒の生活習慣の確立までも含めて、練り上げていった盛岡第四高校。物理的に授業時間が減ったために、一時的にでも大学入試実績が停滞、減少することを懸念する声もある。だが、教師の総意で決定した「四校ビジョン21」を基に作成したカリキュラムである、という信念がある。
「今、行っている取り組みによって、生徒が学習に意欲的に取り組むようになれば、学校として大きく飛躍できるのではと期待しています」(岩渕先生)
5. '03年度カリキュラムの特徴
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「芸術」と「家庭」を2年次でも選択科目として開講
進学校では必修科目の2単位にとどめている動きがあるのに対して、積極的なカリキュラムと言える。
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「現代社会」は1年次で3単位を配置
現代社会に標準より1単位増の3単位を配置。また、3年次でも倫理・政経を選択することができる。
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「数学」は3年間で15単位(理Ⅰ系は16単位)に
数学は現行課程で17単位となっているが、新課程では減らす。進学対策については別枠で対応する。
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6. '03年度カリキュラム
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