■part 5■ センター試験までの学習指導
センター試験対策は1か月前開始が一つの目安
多くの受験生は、12月頃からセンター試験対策一辺倒になる。それまでに個別試験の力、答案を書く力を身に付けさせたい。授業の演習などでやや手応えのある、考えさせる問題を織り交ぜたり、志望校の過去問に取り組ませる。過去問は歯が立たないかも知れないが、個別試験のレベルを知っておけばセンター試験後の学習の目処がつき、それに立ち向かう気持ちも生まれる。
センター試験対策を始める時期は、試験日の1か月前が一つの目安だろう。教材は「センター試験過去問題集」や同じ形式の問題集がよい。センター試験独特の問題の癖を知るためにも、過去問のチェックは不可欠。できれば10年分は目を通したい。年度ごとの全国平均点や校内の平均点を資料として配れば、生徒は自分の学習の進み具合と到達度をチェックできる。
また、センター試験の実際の時間割通りに問題を解いてみるのもよいだろう。本番同様2日間かけて、1日目は10時から英語、12時50分から地歴というように、本番の時間に合わせて取り組むとペースがつかめる。
成績上位層の中には、センター試験を甘く見る生徒もいる。しかし、センター試験に失敗したら、大きなハンデを背負うことになる。センター試験の怖さは十分に伝えておきたい。
図 ● センター試験過去問題資料
科目ごとに、全国、校内、文系、理系などの平均点を一覧にし、自分の得点を記入できるプリントを配布する。
■part 6■ センター試験までの進路指導
最終的に受験校を絞り受験日程を組む
出願を控え、受験校を最終的に絞り込む時期となる。生徒にはセンター試験で目標点を取れた場合の第1併願パターン、目標を下回った場合の第2併願パターンの組み合わせを決めさせる。
受験校を絞り込む際、受験科目についても再確認しておく。例えば文系の場合、地歴・公民をA大学は政治経済で、B大学は日本史で受験するといったことは非効率な上、リスクも伴う。ほとんどの大学で共通して受験できる科目(例えば世界史や日本史)に一本化した方がよい。
センター試験と個別試験の配点比率も押さえておきたい。センター試験の比率がかなり高い大学を受験する場合、早めにセンター試験対策に取り掛かることも必要となる。また、各科目の配点比率によっては、勉強の強弱の付け方が変わるだろう。
国公立大志望者には、この頃から後期日程を意識させていく。後期日程が初めから頭にないと、前期日程に失敗したとき、諦めてしまうことがある。最後まで可能性に賭けるためにも、チャンスは2回あることを理解させたい。私立大志望者には得意科目の配点が高い方式など、方式別入試を積極的に利用させ、入試日程なども考慮して受験校を最終決定していく。
図 ● 志望校記入用紙の例
志望校の目処がついてきたら、入試科目や入試日程などを書き出させる。私立大は、日程が重ならなければ何校でも受験できるが、日程に無理がないかなどをチェックする。そして、受験慣れしてから第1志望校を受けられるように、併願校の受験をその前に持ってくるといった、実戦的なアドバイスも指導したい。
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