VIEW21 2000.12  クラス運営・進路学習のためのVIEW'S method
 面談指導

■part 7■ 受験指導
学習の年間と週間計画を立てさせる

 センター試験の実施時期を考えると、2年3学期は実質的には入試1年前であり、受験勉強の事実上のスタートとなる。2年3学期の面談では、生徒に受験生としての意識を促したい。
 2年3学期、または3年1学期の面談では、志望校(群)の入試科目を念頭に置いて、学習計画を立てるよう指示する。計画は年間(長期)と週間(短期)の二つを作らせ、年間計画で1年の流れを、週間計画で学習のリズムをつかませる。
 また、志望学部群の重点科目を中心とした学習の必要性を理解させる。傾斜配点、得意科目優遇の入試方式を持つ大学も多いため、得点源となる科目を持っていたほうが有利だ。場合によっては、苦手科目は足を引っ張らなければよいというアドバイスも必要だろう。
 3年次に受ける模試の成績は、自分で時系列の表にするよう、1学期に指導したい。学習の結果を実際に自分の手を動かして検証することで、生徒自身が弱点を発見し、解決への糸口を見つける契機になる。
 3年2学期以降の面談は、精神面のケアが大きな要素を占める。夏休みの計画倒れ、模試の不振、漠然とした不安など、いろいろな要素で精神的に落ち込みやすい。原因を分析、解決策をアドバイスする一方、「現役は最後まで伸びる」と励まして、後期試験も視野に入れ、最後まで諦めずに頑張らせる。

成績推移表例
成績推移表例
模試の結果(偏差値・順位・得点)は科目ごとに推移表に書き込む。生徒自身に書かせれば、弱い科目は何か実感でき、弱点克服に向かう契機になる。

第一志望校を目指して頑張るよう励ます

 2年2学期から3学期に、志望校(群)選びの最初の面談を行う。この段階では偏差値などを気にさせず、純粋に行きたい大学という観点で選ばせる。憧れ校2校、実力相応校2校、安全校1校を選ばせる高校が多いようだ。ここで注意したいのは、憧れ校に対して、「えっ、きみが?」という顔をしないこと。生徒の気持ちを傷つけずに最後まで夢や希望に向かって進ませるようにしたい。逆に、模試の数値や合格判定を絶対視する生徒もいる。しかし、あくまでその時点でのデータであり、その後の学習で大きく変わる可能性があることを理解させる。
 志望校(群)を選んだら、入試科目を調べさせる。その際、最も受験科目の多い入試方式を基準にして、今後の受験勉強をするよう指示する。
 3年生になったら、1学期の面談で志望校の再確認をする。この時期に志望校が決まっていない状況は極力避けたい。決まっている場合でも、就きたい職業や、学びたいことができるという観点で大学・学部・学科を選んでいるか、もう一度確認する。そして、3年11~12月の三者面談で受験校を最終決定する。この時期になると憧れ校を捨てようとする生徒も出てくるが、簡単に諦めさせないようにする。挑戦する気持ちがなえれば、安全校の合格さえ危うくなることを理解させ、励ましたい。

志望校希望調査書例
志望校希望調査書例
志望校(群)を決定したら、入試科目などは生徒に調べさせる。自分で調べれば、各大学・学部に共通の科目、そうでない科目がすぐ分かり、また、入試科目の少ない入試方式を選ぶと、併願できる大学・学部が少ないことに気付く。
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