VIEW21 2000.12  創造する 総合的な学習の時間

取り組みの実践例

福井県立金津高校
多彩なメニューを盛り込んだ取り組み

 「総合的な学習の時間」における取り組みとして進路学習や小論文学習などが想定されるが、それだけにとどまらず、多種多様な活動プログラムを組んで、課外活動を実践している高校がある。現在の取り組みの状況、及びそれをどう「総合的な学習の時間」に発展させていくか、その展望と課題をレポートする。


取り組みの現状

いつも現在進行形、変化し続けるIPT活動

 福井県立金津高校が実施している課外活動、IPT(インテレクチュアル・パワー・トレーニング)の内容を一言で言い表すのは容易ではない。IPTは言わば器にすぎず、そこにどんな活動を盛り込むかは学年団に任されており、学年ごとに多彩なプログラムが展開されているからだ。共通するのは、小論文指導、ディベート、課題研究の三つを行うということ。しかもある年度の1年生の活動を、次年度の1年生で踏襲して実施するとは限らない。むしろ同じ活動に陥ることを嫌い、学年団で知恵を寄せ合って新たな取り組みに挑戦することを善しとする雰囲気が教師の間に広がっている。さらに1年次の段階では2年次で何をやるかきっちりとは決めておらず、1年間の活動を踏まえて年度後半に翌年度の内容を決定する。2年次から3年次に移るときも同じだ。
 2学年主任の丹羽俊彦先生は「生徒に自由な場を与えて、やりたいことをやらせればパワーが出るように、教師もまた自由にやる方が推進力が出ると思います」と語る。1学年主任の西川清次先生も「IPTには型らしい型はありません」と語る。


写真 西川清次 写真 丹羽俊彦
福井県立金津高校1学年主任
西川清次
Nishikawa Seiji
教職歴23年目。同校に赴任して12年目。担当教科は数学。「『総合学習』を通して自分で目標を設定して、それに向かって地道に努力できる生徒を育てたい」
福井県立金津高校2学年主任
丹羽俊彦
Niwa Toshihiko
教職歴24年目同校に赴任して11年目。担当教科は公民。「倫理観が育つ仕組みをIPTに組み込みたい。いつも最新の課題を生徒に語れる教師でいたい」

次ページへ>

このウェブページに掲載のイラスト・写真・音声・その他のコンテンツは無断転載を禁じます。