VIEW21 2000.12  特集 変貌する大学と入試

変貌する大学と入試

高校現場から見た「大学・入試改革」

 大学の機能分化・再編、国立大の独立行政法人化などの動きを受けて、生き残りをかけた大学改革が全国で進んでいる。組織、カリキュラム、授業、入試などあらゆる面に及ぶ今回の改革。大学はこれからどのように変わろうとしているのか。それは、高校から見たとき、どのような問題をはらんでいるのか。改革の行方とその課題を考える。


大学改革のグランドデザイン

 2年前に大学審議会から、「21世紀の大学像と今後の改革方策について―競争的環境の中で個性が輝く大学―」という答申が出された。それ以来、大学改革の動きが加速化している。18歳人口の減少だけでなく、生徒の多様化への対応、激しい国際競争を勝ち抜く人材の育成など、大学は変化せざるを得ない状況に置かれている。答申でも、大学の機能分化や専門教育の大学院重点化、成績評価の改善など、多岐に渡る提言を行っている。大学によって一様ではないが、大学で学生は教養を広く身に付け、多くの学問に触れてから進路を決める方向に動いている。

大学入試改革

 大学審議会の「大学入試の改善について」(中間答申)では、センター試験の資格試験化、複数回実施、成績の本人への開示、教科横断型の総合問題の出題、大学個別試験での募集単位の大くくり化、AO入試をはじめとする選抜の多様化など、いくつもの具体的な提案がなされた。しかし多くの点で、今後、大学と高校関係者の話し合いによって解決されなければならない問題を少なからず残しており、高校現場からも積極的な意見の表明が求められている。


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