「データで考える子どもの世界」
 VIEW21 2001.02  クラス運営・進路学習のためのVIEW'S method
 ホームルーム

効果的な取り組みのための手順とポイント6

ホームルーム

生徒が前向きになれるHR活動のために…

 ホームルーム(以下、HR)活動は、学年全体のテーマに基づいた取り組みを行う場であると同時に、担任と生徒によるコミュニケーションの場としても重要な意味を持つ。また、そのクラスがどんなカラーになるのかも、HRによるところが大きい。生徒の心の持ち方に大きな影響力を持つHRで、どんな取り組みをどのように行うべきか、SHRとLHRに分けて考える。


HRの目的と意義
クラスの団結を高め、教師と生徒の信頼関係を築く場

 HRは、SHR(ショートホームルーム)にせよLHR(ロングホームルーム)にせよ、担任と生徒が接する貴重な時間である。HRの目的として次のようなものが考えられる。
(1)教師と生徒とのコミュニケーション、信頼関係の構築
(2)クラスの団結を高める
(3)将来を考えさせる
(4)人間教育
 教師と生徒のコミュニケーション、信頼関係の構築は、クラスを基盤としたあらゆる指導を成り立たせる前提となるものであり、HRの優先的な課題の一つだろう。わずかな時間であっても、このための活動を積み上げていくことが大切だ。むろんHRだけでなく、授業や学校行事など、教師と生徒が接するあらゆる機会を通して、教師と生徒の相互理解と信頼関係を築いていくことが求められる。
 クラスの団結については、「クラスにはいろいろな考えの人間がいる」と、異なる価値観の存在を知り、それを受け入れることから始まる。お互いの違いを知った上で、クラスメートをかけがえのない存在であると尊重することが人間関係の前提だ。最近は、生徒の人間関係の幅が狭くなっているだけでなく、お互いに傷付くことを恐れて表面的な関係に流れる傾向があるようだ。教師がクラスの団結を呼び掛けても、生徒がクラスメート各自の人間性を理解することがないままでは、本当のまとまりは望めない。HRを通して、生徒が人間関係を広げていくことができるような場を設定したい。
 このような取り組みは、他者を思いやり、良好な人間関係を築いて、それを維持し、集団生活上のルールを尊重するという態度や能力を育てることにも結び付いており、人間教育という側面も有している。

HRでの教師の悩み
  • 朝の短い時間をどのように使えば、生徒にとって一日の良いスタートとすることができるだろうか。
  • 学年全体の行事などで年間の計画が詰まっているLHRでは、どのように担任の独自性を発揮していけばよいか。
  • 連絡事項を効率よく伝えることはできないだろうか。

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