■part 4■ LHRの活動例
学年全体の活動でもクラスごとの工夫は可能
LHRには学校行事、進路学習、学年集会、講演会といった学年全体のテーマに基づいて動く活動と、ある程度、担任の自由裁量がきく活動の2種類がある。
多くの高校では、LHRの年間計画を立てる際、まず学年全体の行事を中心にスケジュールを固め、その前後に必要となる活動を組み込み、残った時間を担任の自由裁量とするケースが多いようだ。年度当初に計画を立てることは、学年全体のテーマについてはもちろん、担任の自由裁量の時間についても計画性を持たせることができる点で有効だ。
職業研究や大学研究など、学年全体のテーマに基づいた活動については、どんな内容をどう進めていくか、学年団で意思の統一ができていることが望ましい。学年会や担任会などでHRの事前の打ち合わせや準備をして、教師間の認識のズレや温度差をなくすようにしたい。HR運営委員会などを設けて、検討する方法もある。
学年全体の活動であっても、実際には、クラスごとに工夫することができる。例えば、進路学習の場合、生徒個々の学習だけでなく、グループ学習などを取り入れた仕掛けをクラス独自で行うことも可能だろう。あるいは「志望校選び」がテーマの場合、自分の体験談から入る教師もいれば、現状分析から始める教師もいるだろう。その違いが教師の色合いとも言え、担任が独自にやり方を工夫できる部分である。同じ説明をするとしても、話の流れや教師自身の考えの伝え方など、自分なりに考えたい。
ただし、学年全体で動くもの、例えば文理選択や科目選択の説明などのときは、学年集会にした方がよい場合もある。クラスによって取り組みの度合いに差が出たり、担任ごとに説明のくい違いが出るのを避けることができ、効率的、かつ効果的にできるからだ。
自由裁量のLHRにレクリエーション、様々な勉強会を行う
担任の自由裁量のLHRの活動として一般的なのは、勉強会とレクリエーションだろう。
勉強会とは、ディベート、ディスカッション、読書会、作文・小論文学習などが含まれる。
スポーツやゲームなどのレクリエーションは、クラスメートと担任が皆で一つのことに取り組むことでクラスの団結が高まるという効果が期待できる。年度の最初の段階でレクリエーションを行い、クラスとしてのまとまりができたら、ディベート大会をするという方法も考えられる。
なお、学年全体の活動でも、クラス個別の活動でも、LHRの活動については、教師からの一方的な指示で終わらせず、生徒からのフィードバックの機会を設けると、より効果が期待できる。生徒が自由に書き込める感想ノートを作ったり、手間はかかるが生徒からアンケートを取って集計し、その結果を今後の活動に活かすこともできる。
また、活動内容によっては生徒からだけではなく、教師からもアンケートを取ってもよいだろう。例えば、「薬物乱用防止」の講演会を開いたら、そのあと「企画について」「講演会の内容について」などのアンケートを取るといったことが考えられる。
これらの生徒、教師のアンケートは、整理・保存して申し送り事項としてファイルしておけば、その学年だけでなく、他の学年でも活用できる。
LHRの活動例
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・オリエンテーション
・文化祭や体育祭準備
・社会教育(薬物乱用防止、同和教育など)
・進路学習(自己理解、職業研究、大学研究、学部・学科研究など)
・文理選択、科目選択指導
・入試出願指導
・レクリエーション(スポーツ、ゲームなど)
・ディベート、ディスカッション
・作文・小論文学習
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