VIEW21 2001.04  クラス運営・進路学習のためのVIEW'S method
 低学年からの進路指導

効果的な取り組みのための手順とポイント7

低学年からの進路指導

生徒に人生観を含めた進路を考えさせるために

 生徒が自らの適性を見つけ、自分を活かせる進路選択を行えるかどうかは、1、2年次の進路指導の在り方に影響されるところが大きい。自分の将来像が描けず、目的意識が低いと言われる今の生徒を、低学年のうちに目覚めさせ、将来像に向かって努力させることの重要性は以前よりも増している。1、2年次の進路指導において、各時期に必要な指導は何か、また留意すべきことは何かを考える。


進路指導の意義
中・長期的視野で生徒の進路観を育成する

 進路指導とは、生徒が高校から大学や短大、社会へと進む中で、自分がどう生きていくのかを考えさせ、目標に向けて自分自身を成長させられるよう指導することである。その意味で、進路指導とは生き方を考えさせる指導であり、一朝一夕に効果が出るものではない。中・長期的視野を持ちながら、生徒の進路意識の育成から進路選択に到達するまでのステップに取り組むことが求められる。進路指導は1年生の早い時期、準備を含めれば実際は入学前から始まっている。その積み重ねが、目先の受験に振り回されずに、じっくりと進路を考えさせる指導につながる。
 進路選択では、生徒自身が納得し、満足できる結論が得られることが一番望ましい。そのためには、教師が生徒一人ひとりをかけがえのない人生を送る存在として認め、生徒と正面から向き合う姿勢が必要だ。生徒は常に教師に自分の顔を見て話してほしいと望んでいる。同時に、教師を冷静に見て、その態度を敏感に感じ取っている。生徒が「この先生は自分をちゃんと見てくれている」と信頼を寄せたとき、初めて生徒個々に合った進路指導の下地ができる。それは、以降の進路選択の大事な局面での指導に必ずや活きてくるのである。
 もちろん、進路指導は1年で完結するものではなく、3年間を見通した計画を立てて進めることが求められる。その際、指導を充実させようと新しい活動を取り入れるのも一つの方法だが、まずはこれまで取り組んできた指導方法を見直し、改善することから始めていきたい。

生徒は先生と話すことをどう感じているか
生徒は先生と話すことをどう感じているか

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