VIEW21 2001.04  Power for the Future
 生徒と一緒に考えたい「生きる力」

自分とは全く違う視点を発見するために、
感動しながらも冷静にその理由を考えています

 感想文の良いところは、書くべき内容に制約がないことです。何度も読み込んで作者の意図を多面的に探ったり、今までの読書体験から他の本との共通点を考えたりする過程で、自分の考えを自分の言葉で表現していくのが僕流のやり方です。本の内容に感動しながら、同時に本当に大事なことを見落とさないように、少し距離をおいて感動の理由を考えてみることも大切な気がします。自分とは全く違う視点と出会い、意表を突かれたり、驚いたりすることが読書の面白さだと思います。いろいろな考え方にぶつかってみて、受け入れたり、反発したりしながら、その考え方の奥にある様々なものを発見するのが好きです。そのプロセスを通して自分も成長できる気がします。
 将来の夢は中学校の教師になることです。引越しで金沢に移ってきた時、友達もいない街に早く馴染めたのは、明るくて包容力のある先生が最初の担任だったからです。大学でも「大学を卒業するまでは手当たり次第に読んで、好きな作家は作るな」という父のアドバイスに従って多くの本を読み、大勢の人と出会い、自分の視野を広げたいですね。そして将来は、多くの個性ある生徒たちをしっかりと受けとめてあげられる教師になりたいと思っています。それが僕が求める「生きる力」なのかも知れません。

写真 高見優

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