VIEW21 2001.04  新課程への助走
 新課程に向けた様々な課題の検討進捗状況

新課程に向けた様々な課題の
検討進捗状況

 '03年度まであと2年となり、新課程への準備は急務である。カリキュラムの作成をはじめとして、「総合的な学習の時間」「情報」などに関する校内での検討は深まっているのであろうか。'02年度からの完全週5日制への対応を含めた様々な課題の検討進捗状況を全国の高校からのアンケート回答に基づいて分析する。。


【'03年度カリキュラムの作成状況】
予定より大幅に遅れているカリキュラム作成

 '03年度カリキュラム作成への取り組みが始まった頃、新課程へスムーズに移行するためには、学校のSI(スクール・アイデンティティ)を明確にしたうえで、先に'03年度カリキュラムを作成し、そこから逆算して考え、'02年度、'01年度と移行期のカリキュラムを作成していくことが望ましい、という声が多く聞かれた。
 事実、1年前の'00年1月にベネッセ文教総研が実施したアンケート結果では、「'03年度カリキュラムは作成済み(または'00年3月までに作成予定)である」と回答した高校は8.4%しかなかったものの、ほとんどの高校が何らかの形で新カリキュラムに関する検討を進めており、「'01年3月末までには作成予定である」と回答した高校は、全体の半数に上っていた。'00年度は各校とも'03年度カリキュラムの検討を本格的に進めていく年であり、60%近い高校が「'00年度末までには'03年度カリキュラムを作成し終わる予定」としていたのである。
 ところが、今回のアンケート結果からは、1年前の見込みとは大きく異なる現状が明らかになった。「'01年1月現在、'03年度カリキュラム原案を作成済み」または「'01年3月末までに作成予定である」と回答した高校は23.1%に過ぎず、70%以上の高校が'01年4月以降に'03年度カリキュラムの作成を予定している(グラフ1)。
 '03年度カリキュラム作成の予定が、当初よりも大幅に遅れている原因はどこにあるのだろうか。また、その検討の進捗ペースを各校はどのように判断しているのだろうか。

グラフ1 '03年度カリキュラムの作成状況
グラフ1
学校アンケート調査概要
  • 調査実施:ベネッセ文教総研
  • 調査時期:'01年1月下旬~2月上旬
  • 調査対象者:全国の高等学校の教務主任、進路指導主任、もしくはカリキュラム作成にかかわる教師
  • 調査方法:アンケート方式
  • 回答数:総計450校(公立365校、私立85校)

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