VIEW21 2001.04  新課程への助走
 新課程に向けた様々な課題の検討進捗状況

カリキュラム作成の進捗が遅れる三つの原因

 今回のアンケートで、「作成済み(または'01年3月までに作成予定)」と回答した高校でも、「やや(40.4%)」と「かなり(5.8%)」を合わせると、50%近くの高校が、検討は当初の予定より遅れていると回答している。この結果から推測すると、'01年4月以降に作成予定の高校では自校の検討進捗ペースに関して相当な焦燥感を持っているのではないかと思われた。
 しかし、アンケート結果からは意外にも「当初の予定よりもかなり遅れ気味」と回答した高校は8.1%にとどまり、逆に「ほぼ当初の予定通り」という回答は42.9%もあった(グラフ2)。この質問へのフリーアンサーからは、「確かに当初の予定よりも遅れているが、それは検討の先送りなどではない。校内での検討を繰り返し、確実に議論は深まっている。しかし、早急に学校全体としての結論を確定させていくことは難しい」という高校の姿が浮かんでくる。
 各校とも'03年度カリキュラムの作成が重要かつ急務であることを認識しつつも、「ある程度検討に時間がかかることもやむを得ない」と考えているのである。その要因は大きく分けて次の三つが考えられる。

(1)'02年度完全週5日制のカリキュラム検討が予想以上に紛糾しているため('03年度カリキュラムの検討まで進めない)。
(2)「総合的な学習の時間」に対する校内の認識を共有化することが難しく、具体的な指導内容が固まらないため(その検討を優先している)。
(3)国立大のセンター試験5教科7科目実施の方向性が明らかになったため(既に決定していた事項を含めて再考の必要性を感じている)。

グラフ2 '03年度カリキュラム作成の進捗ペース
グラフ2
*グラフ1で「'01年4月以降に作成予定」を選択した学校のみ対象に集計

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