VIEW21 2001.04  新課程への助走
 新課程に向けた様々な課題の検討進捗状況

【その他の検討状況】

 今回のアンケート調査では、アンケートの回答以外にも、現在進行している教育改革について、率直な意見が寄せられた。特に、「国立大は原則としてセンター試験を5教科7科目で実施する」という方向性が国立大学協会で承認されたことに対しては、様々な意見が多数寄せられている。

 5教科7科目の構成は【国語、外国語、数学、理科2科目、社会2科目】を標準型としている。地歴・公民は理科とのバランス上、1教科(社会)として扱い、受験者は地歴・公民から2科目を選択する。

(1)積極的に賛同する
 現状の入試のいびつさ(アラカルト方式では生徒は好きな科目しか勉強しないなど)を改善し、高校生が幅広く学ぶためには望ましい入試改革である。基本的に方向性を支持する。
(2)詳細な情報が必要である
 国立大学協会の考え方は理解できるので、決定ならば何としても対応する(既に検討に入っている)。しかし、現実的にはかなり対応は難しい。個々の大学の具体的対応も含めて、少しでも早く詳細を明確にしてほしい。
(3)高校の実態と乖離している
 高校側との十分な検討やすり合わせがないままの見切り発車であり、現実的に対応は困難である。「ゆとりある教育活動」の方向性とも一致しておらず、高校側としては納得できない。

 高校の考え方はこの三つに代表され、数としては圧倒的に(3)が多い。高校、大学共に教育改革の必要性があるという認識は共通しているが、このままでは両者の間に不要な軋轢が生じることが懸念される。意思疎通を図っていくことが一層必要だろう。
 今後は具体的な'03年度カリキュラムの作成と検討が進む。新課程に向けた検討の山場はこれからである。


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