VIEW21 2001.04  新課程への助走
 新課程に向けた様々な課題の検討進捗状況

【教科「情報」の検討状況】
8割以上の学校が具体的な検討を行わない理由とは?

 IT先進国への脱皮を標榜する日本だけに、新教科「情報」への社会からの期待は大きい。しかし、「情報」について検討していない高校は半数を超えている(グラフ7)。「基本的な方針を検討中」を加えると、80%以上の高校が具体的な課題検討に入っていない。
 '03年度にスタートする「情報」の授業内容がどうなるのかも懸念されるところだが、それ以上に問題なのは高校現場に「情報」に対する期待がほとんどないことだ。重要性を認識しながらも、諸事情により検討できないというのではなく、積極的に検討しようという気運が希薄なのだ。
 そのような中で、「情報」に関して先進的な取り組みを行っている高校からは、'03年度のスタートに向けて、検討すべき課題が山積しているとの指摘がある。例えば、「情報」の教科目標を校内でどのように共有するのか、「総合的な学習の時間」や各教科との有機的な結び付きは可能か、教科である以上評価が必要となるがどのように評価を行うのかといった点から、データのセキュリティーやパソコンの保守管理の責任体制まで検討すべきことは無数にある。対応を十分に検討していない高校では、「情報」は今後大きな課題となるだろう。
 履修学年・選択科目に関しては、「1年次」に「科目A」を計画している高校が最も多く、'03年度カリキュラムではこの組み合わせが「情報」の主流になると思われる。なお、「その他」の割合が高いのは「校内でまだ十分な検討の場を持てていない」と回答した高校の多くが、「その他」を未定の意味で選択したためだろう。

グラフ7 教科「情報」の検討状況
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グラフ8 「情報」の履修学年・選択科目
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